漫画「まったく最近の探偵ときたら」が探偵ミステリーとしてぼくのツボすぎるので感想を垂れ流させてください。
「まったく最近の探偵ときたら」というギャグ漫画があります。
「読んでてジワるギャグ」がウリ…! だと、勝手にぼくは思っています。1巻からすでにおもしろいし空気を作るのがうまいなと感心しきりだったのですが、2巻からその勢いが破竹のごとしでぼくのツボを直撃しました。だからちょっとね、紹介させてほしいんです。
さて、タイトルの文章っぽさと表紙の女子女子した感じをみる限り、あれれ…? よくありがちな「女の子にもしもアレさせてみたら」系の日常モノかしら? 「小泉さんがもしもラーメン好きっ子だったら」とか「女子高生がもしも亜人ちゃんだったら」みたいな?
…と思ってたら、まあたしかに当たらずしも遠からずだったんだけれど。
とんでもない、これは探偵系ミステリーを題材にした傑作ですよ。
とくに2巻はそのへんのシュールな雰囲気がぎゅっと詰まってて最高です。ぼく的には「陸の孤島ミステリーあるある」と「オトナのバーあるある」が好きです。大好きです。
ここではそのツボにハマったところを中心に感想を書きなぐらせてください。
◆ 「陸の孤島」編
本作でも指折りのシリアスなエピソード。
「絶叫館」という曰く付きっぽい名前のお屋敷に招待されたところから物語は始まる…
そこでは怪しげな男の口から、屋敷の古い話を聞かされる…
「あの3年前」とは…いったいなにが起こったのか…ざわざわ…
偶然にも事件の日と重なる…いったいなにが起こるのか…ざわざわ…
次々と巻き起こる難事件ーー
そんなものはない。
勝手に深まる謎ーー
この事件の謎は、あなたの目で確かめよう!(とくにない)
こんな「よくある洋館に閉じ込められるやつ」をさんざんイジリ倒してて、ミステリーファンだけでなく一般のかたでも馴染みやすいんじゃないでしょうか。実際、ツボにハマったけれどぼくはミステリーには疎いほうだし。
東野圭吾の小説「名探偵の掟」みたいな「名探偵推理ものパロディ劇」を思い出しちゃった。あれも以前にテレビドラマでやってたけれど原作もなかなかはっちゃけてておもしろいですよ。
◆ 「オトナの隠れ家」編
申し遅れました。本作の主人公「ナディー」こと探偵のおじさん。
そんなおじさんが立ち寄るバーでのエピソード。
ここでの主要人物は「マスター」と「常連客」です。どちらもダンディズム漂う御仁です。
「常連客」はウイスキーのロックが似合うワル。
だいたいこんな感じのひと。
「マスター」はすごくオシャレで寡黙なおひとです。
だいたいこんな感じのハイカラさん。
このお話ではバー独自のルールを知ることができます。これでみんなオトナの仲間入り!
例として、バーでの日常風景「グラスを遠くの席の人にシャッて投げるやつ」
オトナたるもの、常に失敗の言い訳を準備しておこう!
こーゆーシリアスな雰囲気をイジリ倒すのがたぶん作者さんの真骨頂というか、一番の得意技だと思うの。なんかキメ絵がふだんよりも気合入ってるもの。
この作者さん、「この可愛らしい絵柄どっかで見たことあるなー」と思ってたら、実は以前にも紹介した「川柳少女」も別雑誌で連載されてるみたいなのです。雑誌を掛け持ちで両方ともギャグ漫画って、なかなかすごくないです…?
言われてみればどちらも雰囲気が似てて、うん、とってもぼく好みです。早く「川柳少女」のほうもつづき読みたい…
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