今週号のジャンプ新連載「ロボ×レーザービーム」が第1話から最高におもしろそう!
今週号の週刊少年ジャンプ(2017年16号)は本日(2017/03/18)が発売日だったみたいです。ふらっとコンビニに立ち寄ったら見かけたのでちょっと得した気分。「ジャンプはたまに土曜日に発売するから気をつけろ!」
そんなジャンプも新連載の時期。怒涛の「6作品新連載陣!」という謳い文句でやってましたが、ついに本命きましたね!
その名も「ROBOT × LASERBEAM(ロボレーザービーム)」!
やっぱりタイトルダサいです。「黒子のバスケ」はシンプルで語感も違和感なかったから特段そう感じなかったけれど、今作はやべえ…やべえよ…
◆ 巻頭カラー 第1話「ゴルフはやらない」
なんと今回はゴルフ漫画です。前作がスポーツものだったから別のジャンルで来るかと思ったけれど継承。噂によれば前々から描きたかった題材だそうな。
たしかにその執念あってか、第1話からさすがの貫禄でした。第1話からめちゃめちゃおもしろい!
主人公とその親友、さらには気になる天才ライバル登場、さらに今後戦いそうな他校との確執と……情報密度高いうえに説明的じゃない! 長期連載経験者だけあってジャンプの土俵での魅せ方本当に上手いですな…!
主人公は「ロボ」の愛称で呼ばれていて、なにをするでも機械のように正確無比で寸分の狂いもないという設定の子です。そんな子がゴルフでもミスショットしなかったら新風巻き起こるよね? という物語。
スポーツ漫画だけあって良くも悪くも王道な書き出しです。ただ、この王道っていうのをマンネリと思わせずに描くのはさすがの筆力といったところ。
スポーツ漫画の王道である親友ポジションの子もしっかり描いているのが丁寧で素晴らしいですね。
「ロボといわれてクラスメートからからかわれ、いじめられてる」というロボくんに対して、唯一友好的に接してくれる親友・トモヤくん。
無気力無感動人間味ナシのロボくんでも、そんなトモヤくんにはそれなりに愛着を持っているというのはポイント高いですね。テンプレっちゃあテンプレだけど、この丁寧なテンプレ描写って案外できてない作品多いですもんね。雑な模倣こそが「悪いテンプレ」だとぼくは思うのです。そのへん、藤巻先生は「良いテンプレ」してて言うことナシじゃないでしょうか。
(あれ……もしかして ロボ……怒ってる……?)
「トモヤがイヤな顔してるのは、ぼくもイヤなんだ」
このカッコいい台詞も引き締まるってもんです。「黒バス」で感じたゾクゾクくる感じの熱い台詞回し、今作も健在みたいで、ぼく大変満足。
そうそう、「黒バス」といえば「スポーツ漫画の皮を被った異能力バトル漫画」でしたが、まさか今回も…!? はい、そうです! やっぱり今回も超人っぽいです! そりゃあ主人公がロボットですもんね、知ってた!
クラブも握ったことないような子がガシガシ超精密コントロール球を繰り出します。でもここらへんは、あえて匂わせる台詞が入ってるからもしかしたら父親がプロゴルファーだったり、そーゆー「スポーツ漫画の親父あるある」が挟まれるやもしれませんね。
気になるライバル青峰くん 鷹山くんも初登場にしてオーラが漂ってて素敵です。
めちゃめちゃ強そうな雰囲気。なのに登場から数ページで「おれよりめちゃめちゃゴルフ上手いやつがいやがる…っ!」と早々に陥落する、この残念イケメン具合よ。早々にテレビ画面ごしに解説役を請け負ってそうな……そんな未来が透けて見えるかのようだ……
まったく、藤巻先生の描くイケメンは残念な子ばっかりで素敵ですね。
あと、単純に「黒バス」中期のころの絵柄が大好きなので、この高クオリティの絵が連載初期から読めちゃうっていうのがぼく的にめちゃめちゃイチオシです。
最近、「黒バス」もアニメ映画化してた影響もあってコンビニで原作本がまとめ売りされてたのですが、やっぱり初期の絵柄には無骨さが足りなくて「あれ、こんな草食系男子みたいな絵柄だったっけ…?」と物足りなさを感じてしまったもので。
漫画「恋の神様」ニセコイ作者さんの短編集が本棚から出てきたので懐かしい気持ちで紹介する。
古味直志短編集 恋の神様 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 古味直志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/07/04
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (3件) を見る
久しぶりに本の整理をしていたら、「恋の神様」という漫画が出てきた。すごく好きな作品ばかりだったので、なんだかお宝を発掘したような嬉しい気持ちになってしまった。
たまたま古本屋で見かけたので、つい紙の本で衝動買いしてしまったのだが、今になって思うと「Kindleで買っておけばよかったなあ」とちょっぴり後悔している。
なんせ本棚の奥で眠ってらっしゃったせいか元々なのか…ページがずいぶんと黄ばんでしまっていて、あらあらな状態になってしまっている。ぱらぱらめくっているとページの角もたまに折れているしシワはできている。これはたぶんぼくの雑な管理が原因なのだろうけれど。この点をまとめて一挙にサクッとまるっと解決できてしまうKindle版、まじ人類の叡智である。隙あらば電子書籍のメリットを布教していくスタイル、これからも続けていきたい。
お話を戻しましょう。
この漫画は古味直志先生による読み切りマンガ集だ。「ダブルアーツ」「ニセコイ」なんかが代表作にあたり、この短編集ではすでにそういった作品の根元…かたや「ワクワクドキドキの冒険譚」だったり「キュンキュンする少年少女のラブコメ」だったり、両作品に共通する「生き生きとした躍動感たっぷりのキャラクター」なんかが感じ取れる。
というより、ひいき目なしにしても古味直志先生の場合は短編集のほうが格段におもしろい。展開のスムーズさ。伏線から回収に至るまでのコンパクトさ。キャラの言動の一貫性。どれをとってもクオリティーがダンチである。
たぶん、古味直志先生はもともとこういう作風が好きなんだと思う。短編映画だとか童話だとか、そういった「小さな世界の中で殻を破っていく物語」みたいなスケールの話がすごく上手い。
まあここで具体的な話も挙げずにクドクドと語るのも野暮ってもの。次からひとつずつピックアップして語らせてもらおうと思う。
◆ 「island -アイランド-」 最初の読み切りから漂う"鬼才"の風格
例えば最初に日の目を浴びた「island -アイランド-」
ぼくがこれを初めて読んだのは少年ジャンプでの掲載時だ。
初めて読んだ感想は今も忘れようがない。「とんでもない才能が現れたぞ」それほどぼくにとって衝撃だった。
その当時はいわゆる「勧善懲悪のテンプレ」をよく見かけた。ジャンプで読み切りが掲載されれば「また主人公が悪党をワンパンで倒して終わりかあ。テンプレだなあ」というのが、本当に本当に多かった。ぼくは掲載された作品は必ず目を通すという、我ながらよくわからない執念があったのだけれど、たぶん大半の人がこのころの読み切り漫画はつまらなすぎて読んでなかったんじゃないだろうか。そんな勝手なレッテルを貼ってしまうくらいには、当時のジャンプには「新鮮味」が欠けていた。
だからこそ「island」が掲載された時の感動は一潮だった。
「island」を知らない方のために簡単なあらすじ。
2人の少女「アイラ」と「マルー」のダブル主人公が、壁の中の村から壁の外へ出ていく夢を叶えようとするファンタジー冒険譚。
この話のすごいところは「話がきれいにまとまっている」点である。舞台はごくごく小さい村落で、およそ少年漫画としては小スケールじゃないかと思う。しかし、それを本作では「2人の主人公」の感情をあっちこっちへ揺り動かすことに力を入れている。むしろそこだけに特化しているといってもいい。葛藤から生まれる感情の機微。それこそが本作の…あるいは古味直志先生の短編集の、とんでもない魅力なのである。
この話で描かれる主人公は夢見がちな「少女」でしかない。やがて現実を知って受け入れて、妥協をするかそれともなお夢を見続けるか。「大人になってゆく過程」を丁寧に描いている。
そこには一切、「悪党」も「正義という名の暴力を振るう主人公」も存在しない。ただの思春期を乗り越えようとする少女たちがいるだけである。終始地味なだけで終わりそうな題材なのに、めちゃめちゃワクワクするし目尻に込み上げてくるものがあるんです。不思議なことに。
これだけ良いところばっかり羅列しちゃうと「うげぇ」ってぼくだったら辟易しちゃうことだろう。なのでいちおうバランスを取るために欠点も挙げておこうと思う。本作は「デッサンははっきりいって上手くない」
一般的な「絵が綺麗」ってやつ。ああいう物差しで測ると、はっきりいって下手だ。ただし、キャラの感情を表情として描き切るのは本当に上手い。
たぶん、このキャラの表情っていうのがさらに進化すると近年の作品「ニセコイ」に繋がってきたのだと思うと妙に納得しちゃう。ああ、ここからすでに片鱗が見えていたのだなあと。
ここらへんの絵の方向性は「island」で何を強みにするべきか?っていうのが先生自身、はっきり自覚していたからこそ定まったものなんだろうなあと思う。
思春期ならではのコロコロ変わる表情の変化。今から読み直してもぜんぜん色褪せない。当時抱いたぼくの思いは一時の気の迷いだとかブームに便乗してとかじゃないはず。だってまちがいなく「island」は今読んでもおもしろいんだから。
◆ 「恋の神様」ラブコメの教科書のような完成度。
二度目の読み切りであり短編集の表題作となる「恋の神様」
こちらも掲載時、ぼくはリアルタイムで読んでいた。
酷評になってしまうけれど、今となって読んだら本作はあんまりパッとしない。いや、ちがうんだ。誤解のないように言わせてください。当時はぼくもまちがいなくおもしろいと思って読んでいた。ただ、今読んでみるとそうでもないよね、というだけの話なんだ…
たぶんそれは、本作の根幹が「奇をてらった設定」ありきなところだからだと思う。
あらすじとしては「少年は女の子に恋をした。しかし、そこには最強の恋敵が。それは……神様! 神の寵愛を受ける女の子に好かれるため、無謀な戦いに挑む!」というもの。
キャッチコピーのおもしろさは当時、折り紙つきだった。
「当時斬新だった設定」に引っ張られて昔はおもしろいおもしろいと手放しで評価していたんだけれど、今となっては斬新な設定なんて履いて腐るほど巷には溢れかえっているわけで。今のぼくが読んでも「あー、それっぽいのラノベで読んだことある」ってなっちゃうのである。
とまあ、大人になったぼくが評価するのはこんな酷な言葉になってしまったけれど、実は忘れてはいけないポイントが。この作品、斬新さに隠れて目立ちにくいのだけれど、立派に「ラブコメとして洗練されている」のである。
はっきりいってこの完成度は、現在のジャンプで掲載される読み切りと比べてもまったく見劣りしない。…というより圧勝である。
話に一貫性があって起承転結もがっちりかっちりしていて、いやはや、まったく…弱点らしい弱点が見当たらない。ちょっと憎らしいくらいに完成されている。
とくに神様の猛攻をかいくぐりながらヒロインの子を抱きしめにいくまでの一連のシーンはおもしろいやら感動するやらでシュールな絵面として近年稀に見るクオリティーだったりする。
だから、ぼくの言う評価の正しくは「プロとしてはややテンプレチックで面白みがない」といったところ。すでに語る視点が「新人の読み切り」レベルではないということははっきり明言しておこう。
あと、ぼくが古味直志先生の個性だと思っている「感情の機微」が弱い点がマイナス評価のポイントだろうか。主人公の「一目惚れしやすいタチ」に感情移入しづらかったりとか、ね。
◆ 「ウィリアムス」原点回帰にして傑作。
3作目の読み切り「ウィリアムス」
最初に断言させていただくと、ぼくの中で一番愛着のある古味作品といえばこれに当たる。
内容としては「主人公が本の世界の大冒険に憧れて旅に出る。少年の歩ける範囲の中で起こった、小さな小さな大冒険」といったもの。作品に込められたメッセージは処女作「island」に近い。
余談ながら、この短編集の中で古味直志先生は前作「恋の神様」を創作の際、大変苦労したことを打ち上げている。以下にその文章を引用させていただこう。
ここの作者メッセージからぼくが勝手に意図するところを読み解くと……
古味直志先生の中で描きたいもののイメージがおそらく「island = 童話的な冒険譚」だったはずだ。それが第一読者(担当さん)からは良い評価をもらえなかったこともあり、紆余曲折を経てなんとかかんとか「恋の神様」という新境地開拓へと舵を切ったわけだ。古味直志先生にとってはラブコメジャンルを描くための得難い経験値になったことだろう。
しかし、その矢先に本作が出来上がった。「やっぱり冒険譚を描きたいっ!」という意志が本作には込められているように感じる。いわば原点回帰といっていい。
そして、見事に大成功を収める。
「ウィリアムス」の主人公ウィリアムぼっちゃまは、とにかく向こう見ずで夢見がちな性格。侍従のコニーさんを引きずり回しては心配やら迷惑やらかけるようなわんぱく坊主だ。こういう性格のキャラは最近の風潮だとあんまり受け入れられないのか、めっきり見かけなくなってしまったのは悲しいことである。
ただ、ウィリアムぼっちゃまはまったく何も考えずに突っ走るだけの子どもではなく「子どもなりに将来のことを悲観している」という憂いを秘めているのが奥深いところ。これが古味直志節ともいえるキャラの魅力じゃないだろうか。小さな冒険譚の中で語られる「夢と現実の狭間に揺れる主人公」……「island」との共通点ともなっている。
なんとなく、「island」に比べて周囲の大人が主人公の夢見がちなところに否定的なのは、本作を製作していたころの古味先生自身の葛藤がそのまま反映されていそう……なんて思っちゃうのは、さすがに憶測が過ぎるだろうか。
なんにせよ、「壁の外が見たいっ!」というよりも断然共感を呼びやすい「冒険に出たいっ! 男の子だもん!」という目的に変わったことで、「ウィリアムス」のほうが馴染みやすい作品になったのはまちがいない。
「人の丈ほどもある大怪鳥」だとか「新大陸」だとか……ぼくみたいなピーターパン症候群もどきの読者にはズキュンバキュンと胸を射る素敵ワードであふれている。
終盤に語られるポエムがあるのだが、いまだに聞いても鳥肌が立つくらいカッコいい。
「どうやら彼はとっくの昔に……
立派な 一人前の冒険者になっちゃってるみたいだから
彼のような人間はね……
止まれないんだよ……
風に呼ばれるんだ……
そう
風に呼ばれ 大地に呼ばれ……
少年は歩くのを やめられない
見知らぬ土地へ行き
谷や 山河や 平原を越えても なお
海の向こうの さらに向こう
大地と空の境まで
そこに辿り着くまでは 少年は決して 負けはしない
だからね……
心配いらないんだよ……」
上のポエム、周囲からどれだけ非難されようと性質を認められなくても我が道をゆく「孤高の風来坊」みたいでめちゃめちゃカッコいい。誰しも男の子はこんな少年期に憧れるものです。
見開きの大ゴマもすごく魅力的で「親愛なるカムクワス=ハイローへ……」の出だしから綴られる語りは本当に引き込まれた。「ざわざわ……」ってなって「ぶわっ」て感じです。なんかもう、ぼくの感情メーターが振り切れ過ぎて日本語がダメになっちゃう。
この感動を伝えるのに、もはや言葉なんて邪魔くさく思えてしまう。どれだけ言葉を尽くしてもこの感動を表すには絶対的に足りない。こういう時、言葉の力って無力だなあと思う。だって読むしかないじゃないか、この感動をあなたの中で再現するには。
◆ 「ペルソナント」
執筆中……
「ゼロから始める魔法の書」魔女×獣人の異種族間カップルに悶える。
先日、Kindleの無料配布本のレパートリーにあった「ゼロから始める魔法の書」漫画 第1巻! アニメ化記念ってことでの布教みたいですね。ぼくはたまたまKindle探してたときに見つけたので、ホントに偶然の拾い物でした。みなさまはもう読まれましたでしょうか。
ゼロから始める魔法の書(I)<ゼロから始める魔法の書> (電撃コミックスNEXT)
- 作者: いわさきたかし
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2015/05/09
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ゼロから始める魔法の書<ゼロから始める魔法の書> (電撃文庫)
- 作者: 虎走かける
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/06/28
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
最初にまず思ったことが「なんかリゼロとタイトル似てるな…」という、なんとも安直な考え…! いや、しかたないんや…最近どっぷりリゼロに浸りっぱなしだったから…毒されるのもしょーがないの。
そんな第一印象での出発でしたが、読んでみたら思いのほかおもしろかった! いや、もうリゼロの二番煎じみたいな扱いをして申し訳ありませんでしたっ! まずそこから謝らなければならない。設定その他もろもろの世界観、まったく別物でした。先入観って恐ろしい。
魔女の「ゼロ」と、なんやかんや一悶着あって連れ添うことになった獣人の「傭兵」が主人公です。極論、彼らふたりの異種族間ラブコメです!(断言)
当たらずとも遠からずかなっ!
魔女と獣人のカップリングですよ。これぞ正統派ファンタジー! ファンタジー最高ですねっ!!
と盛り上がるのはいいけれど、ぼく的にはあんまり異種族間のカップルに関して積極的に「この2人好きっ!」っていうことがないのです。でもね、このふたりは別! 彼らの関係は見ていて微笑ましい…ほっこりする…
「魔法の修行をつけてあげよう。これで、ずっとキミと一緒にいられるぞ……うふふ」と傭兵くんに思わせぶりなセリフを吐くゼロちゃん。
「おいおい、思わせぶりなこと言うなよー。その気にするぜ?」と切り返す傭兵くん。平常心を保とうとしてますが、これっぽっちも保てておりません。すこぶる狼狽えてらっしゃるところに、ゼロちゃんは「本気だよ?」と流し目を送ります。
このね、伏し目がちな表情ね、ポイント高いですよ。これがゼロちゃんの魔女たる所以ですよ。魔性の女と書いて魔女と読むっ!
「お互いのことを理解していくのが楽しい」と上目遣いでのたまうゼロちゃん。どう見ても魔性の女です、本当にありがとうございます。もっと続けてください。
ゼロちゃんのほうからけっこう熱烈なアレするんだけど、メインヒロインが積極的に攻めるのって最近じゃ見なくなったかも。どっちかというとそーゆーのって、サブヒロインたちがすることが多いですよね。ほら、メインヒロインがグイグイいって相思相愛になったらサブヒロインたちの立つ瀬がない的な……大人の事情がね、あるやん…?
ところがこのゼロ魔ではそんな風潮なんてお構いなしである。完全にふたりだけの世界である。アッツアツである。
これをラブコメといわずして、なんと言おうかっ!
本当は設定的にはゼロちゃん、「世界を滅ぼす力を作った張本人」だったりとヘビーな設定のはずなのに。傭兵くんといるときのゼロちゃん、軽すぎる…浮ついてフワッフワすぎない…?
4月からのアニメも放送するということで、ふたりの癒し空間がどれだけ再現されるか必見ですね。
アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!2」がもっともっとパワーアップしてくれるよう願いを込めて。キャラソンアルバムに投資した。
アニメ「このすば」2期のキャラクターソングアルバムが先日(2017年3月8日)、発売されましたね。
あんまり買ってみようかなという気持ちはなかったのですが…
何気なくamazonで試聴してみたら、ぼくのツボにどストライクでした!
とくにアクアさまのキャラソン「わたし音頭」の完成度が素晴らしすぎた…!
TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!2』キャラクターソングアルバム「十八番尽くしの歌宴に祝杯を!」
- アーティスト: V.A.
- 出版社/メーカー: COLUMBIA
- 発売日: 2017/03/08
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る
キャラソンって最近だったら、意外とキャラクターとして歌ってないこと多いじゃないですか。歌が上手い声優さんたちが増えてきたせいもあってか、普通にクオリティーの高い歌を提供してるだけになってたり。当然、そういったものも純粋に歌として楽しむならアリなんですが、そこじゃないんだよ…! だったら「キャラソン」ってムリして冠つけなくていいじゃないのー! って、ついつい言っちゃいたくなるもんです。
しかぁし! この「このすば」のキャラソンはれっきとしたキャラクターが歌う「キャラソンの王道」です!
ぼくが最初に挙げた「わたし音頭」なんかその最たるもの。アクアさまが宴会芸披露しながら、ぐだぐだとクダ巻いてる絵が想像できちゃいます。アクアさまというキャラクターが確立しているからこそできる技なのだと思います。
歌の中では「誰か飲み仲間と祝宴あげてるアクアさま」みたいな感じの場面となっておりますが、ここがカズマさんじゃなくてどこかの誰かさんってあたりがポイントのひとつ。
カズマさんと飲んでると、どーしてもクズ×クズによる相乗効果で「駄女神」のほうが表立ってしまいますが、「誰かさん」と飲んでるアクアさまはわりとクズ要素が少なくて「あっ他の人だったらこんな反応になるんだ」って新しい一面が発見できたり。
そうなんだよ。アクアさまがクズになるのは、クズマさんが一緒だからなんだよっ!(力説)
普通に曲自体が楽しげなので、お酒をちびちび飲みながら聞いてみると楽しくなってくるんじゃないでしょうか。そう、家でひとり寂しく飲むときなんかに…って余計むなしくなるわっ!
あと、一緒にアルバムに入ってる中では「めぐみん&ゆんゆん」によるケルト調ヒップホップもおもしろいですよ。タイトルは「Red Battle」いたって真面目なタイトルに見える不思議。
構図としては、「いつもどおり決闘を申し込むゆんゆん」「受けて立つのもめんどくさげなめぐみん」といった感じになってます。
この曲はラップとしても楽しめるし、もともとのメロディがすごく良いんです。ふたりのラップを楽しんだら、今度はオフボーカルのほうをぜひぜひ聞いてみてほしいなー。曲の疾走感とファンタジー感がみごとに融合してて、曲としても屈指の仕上がりだと思うの。たぶんコレ、普通にサントラとしてアニメ本編で流しても違和感ないですぜ。
ほかにもカズマさんバージョンによるED曲カバーであったり、ダクネスのドM御用達曲なんかもあります。ダクネス、そういえば1期のキャラソンでも「Do M」ってタイトルのやつなかったかしら…いつも自分に正直なコですね…
さあ、ぼくが今この場ででき得る投資はしましたっ!
世間では「この素晴らしい世界に祝福を!2」もそろそろ10話が放送される頃じゃないでしょうか。ぼく? ニコニコ動画派ですよ。まだまだ最終話はお預けです。
10話のあとに、なにかしらの…そうたとえば3期! だったり、続編! だったり、新作劇場版! だったり…!! なにか特報があることを心待ちにしております。ぼくのこの小さな投資でなにがどう変わるかなんて知れてるけどもさっ!
まあ、ほぼ物欲に負けて買っちゃっただけですので…
ぼくがファンとして「このすば」を支えているとか…そーゆーご大層なアレはないですし…
でもでも、ホントがんばってください。監督の金崎さま…陰ながら応援しておりますゆえ。
物語の世界に浸ろう 〜 「盾の勇者の成り上がり」よりヒロイン・ラフタリアちゃんの健気な台詞を引用します。
◆ ラノベ「盾の勇者の成り上がり」より。
なろう小説出身のラノベ「盾の勇者の成り上がり」
この作品は、せっかく異世界転生を果たしたというのに世界の疎まれ者となってしまう主人公・ナオフミくんがコテンパンにされながらも心を開いていく物語。
ぼくが初めて読んだなろう系作品でもあったので、個人的には非常に思い出深いです。「あ、ラノベってこんなに主人公がコテンパンにされてもいいんだ」と。
世間的にはわりと「なろう小説=俺ツエー」というテンプレで認知されてるようですが、ぼくの中ではどっちかというと「主人公が酷い目に遭う」という認識でした。それもこれも、この「盾の勇者の成り上がり」という作品のせいです。
近年ではなろう出身の作品が軒並みアニメ化されてきているので、これもアニメ化したら大成するんじゃないかなーと勝手に妄想してウフフしてます。
というのが、「盾の勇者の成り上がり」というやつは皮肉なことに小説でありながら、どっちかというと小説映えしない作品だから、という理由が大きいです。
たぶん作者さんの頭の中で映像が流れてるんだろうなあと匂わせる構成なんですが、わりと地の文はあっさりめ。情景や心情の描写よりも、会話劇が中心なんです。
ぼくが本格的におもしろい!と思うようになったのも、この作品がコミカライズされたことがきっかけです。このコミカライズ、本当に丁寧で素晴らしいんですよ。
さてさて。前置きが長くなりましたが、本作の魅力を伝えつつ、ぼくがグッときた台詞を引用させていただきますね。
◆ 原作 第1巻 / 漫画版 第2巻より抜粋
ナオフミのもとに、勇者仲間の「槍の勇者」がやってきて一悶着あるシーンです。
ヒロイン・ラフタリアちゃんの境遇を知り、ナオフミくんに激昂する「槍の勇者」
…まあ普通ならナオフミくんが糾弾されても仕方ないのですが、そこはナオフミくんとラフタリアちゃんの間には共依存な深い深い関係があるのでした。良かれと思っても、そこのところを知らない他人が首を突っ込むのは野暮というもの。
しかし「槍の勇者」も引っ込みがつかなくなり、大衆の前でナオフミに制裁を加えます。ここで多くの読者は胸の中がざわざわするような嫌悪感を味わったことでしょう。そろそろナオフミくん、幸せにしてあげてよう…
その後の顛末で、ラフタリアちゃんの言葉が突き刺さります。
「あなたは 病を患った小汚ない奴隷に 手を差し伸べることができますか?
ナオフミさまは 私にキチンとした食事と 病に効く薬を与えてくださいました
……貴重なお金や素材で
あなたに それができますか?」
「なら あなたの隣には
私でない "奴隷"がいるハズです」
自らを豪華な鎧で着飾り、旅の仲間に美女をはべらせる「槍の勇者」にはズバッと鋭く刺さる一言。綺麗事を並べる前に、市井であふれてる奴隷たちに手を差し伸べなさいよ、と。
自分の恥ずかしい身の上を晒してまで、ナオフミくんや奴隷たちを想った言葉を大衆に投げかけます。
ラフタリアちゃん、健気な子。天使や……
けっこうラフタリアちゃんは「奴隷出身」であることにコンプレックスを抱いているのもあってか、ナオフミくんにはいろんな意味で憧れを持っているのも魅力的なポイント。日本のテーブルマナーで何気なく食事するナオフミくんに「見てください! 私もナオフミさまのような食事のマナー覚えたんですよ!」と自慢してくるような子です。
こーゆーナオフミくんラブなのを隠さないところもいっそ清々しいですね。
ナオフミくんが異世界で唯一の拠り所としているのも納得ですよね。……まあ、ナオフミくんはいつまでもラフタリアちゃんのこと娘みたいに思ってるけれど。
もひとつ。一連のシーンで好きなところが。同じくラフタリアちゃんの台詞です。
「逆らえない奴隷しか信じられませんか?
なら これから私たちが出会ったあの場所へ行って呪いをかけてください
私は何があろうとも ナオフミさまを信じております
どうか、信じてください。私は、ナオフミさまが何も罪を犯していないと確信しています。
貴重な薬を分け与え、私の命を救い、生きる術と戦い方を教えてくださった 偉大なる盾の勇者さま……」
※ 文章は原作より引用しております。台詞のニュアンスが、個人的に原作のほうが好きだったもので…
「偉大なる盾の勇者さま」のフレーズはナオフミの境遇を想うと泣けます。ナオフミくん、誰かを庇うことだけが本当に唯一の戦い方だからなあ……自分の行ないを認められることでどれだけ救われることか。
盾の勇者の成り上がり 1<盾の勇者の成り上がり> (コミックフラッパー)
- 作者: 藍屋球
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2014/07/23
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
物語の世界に浸ろう 〜 ファンタジー童話漫画「魔法使いの嫁」からぼく好みの文章を引用する。
◆ 「魔法使いの嫁」より。
漫画「魔法使いの嫁」は魔法使いエリアスとの旅を描いたファンタジー漫画。
童話チックな雰囲気と詩的な言葉のチョイスが絶妙です。すごく壮大ななにかが幕を開けるわけではないんだけれど、ずっと浸っていたくなるような世界観。たぶん、この作品で語られる世界が目の前に広がるようで、小さなリアルがそこにあるからそう感じるんだと思います。
この世界における「魔法使い」は、裏世界で生きる隠遁者。だから、タイトルの「嫁」から感じ取れる「ゆるふわなラブコメ」を想像して読み進めると、その思ったよりダークな雰囲気にびっくりしちゃうかも。第一、主人公のチセちゃんが奴隷っていう背景がありますし…
ただ、ダークファンタジーとジャンル分けするにはちょっとだけちがう気がするんだよなあ。うん、やっぱり童話って括ってしまうのが一番しっくりくる気がします。
こーゆー陽だまりのようなあったかいエピソードも多いです。チセの生い立ちに暗いところがあるぶん、こんな救いのあるシーンには思わず胸のあたりがザワザワってなる。ゆるやかにあったかい気持ちになる感じ。
◆ 単行本 第2巻より
さてさて、ぼくが好きなセリフはこちら。
魔法使いエリアスと、お嫁さんのロリ チセちゃんが本音を少しだけ交わせるシーン。
「ーー僕は 人間でも 妖精や精霊でもない 半端者でね
永く永く生きて とても沢山の人間を見てきたけれど
やはり 僕にはわからないんだ
彼らの…… 君たちのことが
考えを理解はできる でも共感はできない
君らが泣き 怒り 笑う理由は知れても
自分のものにはできない」
「君を買ったのも 条件がよかった ……それだけだ
何も持たず
人間でない僕から 離れられない子だったから
君が欲しがるだろうなって言葉をかけて
寝床も 食事も 知識も与えて
気にかけて 自分で育てたらなにかがわかるんじゃないかと思った」
「そうだ この記憶がいらないなら壊してあげるよ!
僕は浄化だのは苦手だけどこういうのは得意ーー」
「そんなに 怖がらなくてもいいんです」
貴方が要らないというまで
「私は 貴方のーー そばに……」
奴隷としてエリアスに買われたチセちゃんが、珍しく狼狽えるエリアスに投げかけるセリフ。
エリアスを安心させる甘い言葉なんだけれど、チセちゃんがどっぷりエリアスに依存してるのが伝わってくる印象深いセリフ。擬似家族としての2人の在り方がよくわかります。
また似たシーンなんだけど、チセちゃんの家族観が垣間見れるセリフはよく印象に残ります。
「たとえ 嘘でも
私を家族と言ったのはエリアスだけ」
「まほよめ」は夫婦の話かと思いきや家族の話として語られるほうが良シーン多い気がしますね。
そういえば「まほよめ」は2017年10月からテレビアニメ化されるとの情報が。
前は劇場版だったかな…? 一度アニメになってましたね。ぼくは残念ながら見られなかったから詳しくないのです。
これから毎週テレビで追う楽しみができるのか…うん、いいことだ…とてもいいものだ。
チセちゃんの声優さんが早見沙織さんだったのはちょっと大人びすぎな気もしたけれど、テレビ版の時も同じようになるのかしら。
前に劇場版のPVで見聞きしたかぎりは、エリアスの声優さんはごっさカッコよかったの覚えてます。「キミ」とか「ボク」とかいう人外系紳士、イイよね…!