Kindle三昧

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アニメ「サクラクエスト」3話まで観て。思ったより伝えたいことがわかりにくいぞう…?

 


アニメ「サクラクエスト」を観てます。今は1〜3話まで!


4月から始まった「PA Works お仕事シリーズ第三弾!」という看板を引っさげて登場した「サクラクエスト」ですが、単純にお仕事シリーズといってもなかなかお話の方向性というか、目指してるジャンルが前作、前々作とちがう感じしますね。
主人公のピンク髪ちゃんがいろいろ「売り言葉に買い言葉! やってやんぜ!」なまま突っ走ってて、3話まで観たぼくもいまだに「どうしてこの子はこんなにムキになって取り組んでるんだぜ…?」と置いてきぼりくらってるのが正直なところ。

 


◆ 「サクラクエスト」は「変わらなくてもいいものがある」と伝えるアニメ??


そんな戸惑いを隠せないぼくですが、いちおうぼくなりに「サクラクエスト」がなにを目指しているのかを解釈してみようとおもいます。


今までの「お仕事シリーズ」では経緯はともかく、そのお仕事のやりがいはぼくたち視聴者にもヒシヒシと伝わってきていたものです。


前作「SHIROBAKO」はアニメ制作現場の鬼気迫るハードワークぶりと、それに賭ける情熱をテーマにしてました。なんか製作陣の「こんな必死にがんばってるんだからお願いだから辛辣にしないで!」って気持ちが伝わってくるようで涙を誘われたかたも多かったのでは。監督を監禁するところなんか、製作陣の悪ふざけというか本音がダダ漏れにしか見えなかったよアレ!


前々作「花咲くいろは」では温泉旅館で下働きすることになって、仕事の大変さとそこからくるやり甲斐を前面に押し出してて「サービス業って青春だ!」って感じがすごく出てました。たぶんアレの影響で旅館やホテルに就職したくなった人、いると思うの。


そんなところで、本作「サクラクエスト」である。
村おこしの最前線へ放り込まれることになったピンク髪ちゃんですが、なんというかまあ、起きること起きることあんまりにもシュールすぎるやろ! それへの解決策もアプローチもいまいちよくわからないままぬるっと話が進んでゆく…そう…まるで牧歌的な農村の風景のごとく…


基本的には村おこしの目的として「過疎ってる村をなんとか変革せねば!」っていうのがあるのだけれど、村人やら協力者やらのスタンスが「まぁべつに無理にどうこうして変える必要もないんですけれどね」って人たちばっかりなので、お話がまったく前へ進まないのよね。のどかな世界か。

 

第3話「マンドレイクの叫び」ではやっとピンク髪ちゃんが村の国王(村おこし大使)としてやっていくことに決めた様子が描かれておりましたが…
そこでの所信表明で、まんま「変わらなくてもいいことがあるんだっ!」って気持ちをピンク髪ちゃんなりの言葉で伝えておりました。い、言いたいことはわかるんだ…でもね、でもそれを言っちゃうとお話が前に進まな…う、うぅーん…


有り体にいえば「村おこしをするには変革よりも昔ながらのものを大切にしよう」ってことを言いたいんだろうし、それに向けて今後施策を練っていくんだろうことは容易に想像つくのだけれど。な、なんかそこへ至るまでの道のりがえらく曲がり道だらけでしたね…1〜2話のあのくだりとはなんだったのか…
もうちょっと単純に「変革派村長と懐古主義派の主人公」っていう図にしてみせたほうが単純に話がサクサク進みそうな気がするし大変わかりやすくなりそうなものなのに…どうしてこうなったのだろう。


なんか、特殊な題材と特殊な人物相関図に手を出してしまったのが「サクラクエスト」という作品のような気がする。うまいこと言葉にしにくいけれど、取り扱うテーマがごちゃごちゃしすぎてて爽快感だとか達成感だとか、そーゆーのがわかりにくくなっちゃってるんじゃないかなあ。
テンプレ的な物語をはずそうと思えば簡単だけれど、なかなかわかりやすい物語にするのってムズカシイですよね。「サクラクエスト」はぼくたちに大切なことを教えてくれているのだ…!


とはいえ、たった3話までで全てを知ったつもりになるの、良くナイ。
実はあの不朽の名作「SHIROBAKO」もあんまり序盤を楽しめていなかったりしたぼくなので、今回もPA Worksさんの「徐々に尻上がりになっていく法則」が受け継がれていることをちゃっかり期待しておりますのよ。
いつもの不思議系なPA節のある会話劇は本作でも健在ですし。ほんと、あの独特の言い回しなんなんでしょうね。なごむ。


「グリムガル」や「このすば」の時みたいに、案外のめり込んで毎週のように感想を語り出すようになるかもしれません。そうなるといいなー。