【ネタ発掘】「本を買うなら紙媒体にしてよ」という出版業界の話
つい先日、Twitterで見かけた「漫画家さんによるファンのかたへのお願い」をつづった漫画がけっこう話題になってるみたいですね。
こんなかたちで記事にもなってるみたいです。
◆ 売り手側の主張とぼくたちの主張
この記事で言っていることを要約しておきますと、
作家さんや出版業界といった「売り手側」の主張は、
- 毎月何十冊と新刊が出るから、発売直後に売り上げが悪いと本屋さん→出版社へ在庫が流れていく。だからマイナー作品はどんどん倉庫の中で埋没していく。
- この流れを断ち切るには本屋さんで注文をしていただくしかないっ!
- 注文が少しでもあると何冊か本屋さんへ届けられるので、あなた以外の人にも売れるチャンスがでてくるよ!
- だから、ファンの人は本屋さんになくても注文をして待っていてほしい。
と、つまりこういうことです。
ぼくたちが本屋さんへ立ち寄ってマイナー作品を探してもちっとも見つからないのは、つまりこういうことなんですね。
だからぼくは、Kindleを使うようになりました。
売り手側が「在庫はあるんだから欲しいなら注文してよ!」というのならば、ぼくたちは「いやいや、ポチったらすぐ届けてくれるKindle使うよ」と主張する。むしろ「はよう、Kindle版への移植はよう」と声高らかに主張します。
ぼくたちは作家さんのファンになることはあるが、出版社のファンではない。そのへんを作家さんは勘違いしてはならない。
もしも作家さんが「ぼくの作品を応援してくれよ」というならもうちょっと買い手側の意見にも譲歩するべきじゃない?とぼくは思います。
例えば「注文をしてくれ」という販促漫画を描くのではなく、「電子書籍にしたよ! これで注文したらすぐ届くよ!」という話ならわかるのだ。ぼくたちの「作家さんを後押ししたい」という行為と「読者さんの手元に早く届くようにしたい」という行為のギブアンドテイクが成立する。「作家さんを後押ししたい!」「じゃあ注文してクダサイネー」はなんのギブアンドテイクにもなっていない。ファンは売り上げを後押ししただけの徒労に終わってしまうんじゃないでしょうか。
そして、記事ではあろうことか「電子書籍の購入では作家さんの応援にならない」とつづくのである。
◆ 電子書籍は害か?
電子書籍も最近ではKindleの出現と営業努力によって充実してきた感があります。
ただ、やっぱり昔ながらの紙媒体の利権を握る出版業界としてはおもしろくない話みたいです。
- 電子書籍=紙媒体の副産物的な扱い。なぜなら電子書籍はまだまだ紙媒体と比べると売れている数が少なすぎるから。
- 電子書籍が売れても発行部数の統計に含まれない。むしろ、電子書籍は紙媒体の売り上げを奪う害になっている、という側面。
売り手側の主張からすると、どうもこういうことらしい。それもそのはず、Kindleはアマゾンが利権を握っているので、出版業界がおいしいところをいただけないのです。だから電子書籍は出版業界からすると悪にも等しいようで。出版業界が悪としている以上、作家さんたちも電子書籍が売れたってちっともいいことなんてないのでしょう。
極論をいうと、紙媒体を買えという。
しかし、欲しい本は本屋になく、すぐ手に入れられないという罠。
おかしい…ここらへんの溝を埋めることこそビジネスチャンスとばかりに、電子書籍業界が登場したはずなのですが…