エッセイ「挫折を経て、猫は丸くなった。」が思ったより時間潰せる。
エッセイ「挫折を経て、猫は丸くなった。―書き出し小説名作集―」というのがある。
先にお断りさせていただくと、ちょっと「ふふっ」てなりたい時にオススメ。深読みはとくにオススメしていない。っていうか、しなくてもいいんじゃないかな?
たまたまイオンモールのとある本屋で平積みされててお見かけしました。まぁ、とある本屋さんっていうか紀伊國屋書店さんなんだけども。どうも、いつもお世話になっております。ちょくちょく勝手に通わせていただいてますただのファンです。
その本の帯を読んでみると「アメトークで芸人から絶賛」というような触れ込みが。ということなので、バラエティ番組をよく見るかたからすれば「あー、あったあった。なつかしー」と思ってもらえるんじゃないかと思います。
まあ、そーゆーことなら、ね。あえてぼくの口からたくさん語ることもないかと。とっくに公共の電波で宣伝されているならね、ウン。くそぅ…せっかくネタになる本見つけたと思ったのにぃ。
というわけで、問答無用のパワーワードを秘めた一文を、この本の中から抜粋しておこうと思います。
揉みたいものがまだ、友の睾丸だった頃だ。
おまえは、なにを言っているんだーーーー?
さっぱり意味がわからないはずだ。本著を一通り読んだぼくですら、さっぱりわからない。
ただ、なにかトンデモない言霊が宿っていることだけは伝わってくる。
作品のキャッチコピーというのは、例えばこういうことを言うのだろう。ぼくみたいに、「控えめにいっても頭がちょっと湧いた人」を惹きつけるだけの魅力が、このたった一文に集約されている。
本著はようするに、「人が興味を持つキャッチコピーグランプリ」である。
少なくとも、これを読めば「小説を書いているんだけど、どうしても内容が地味めで困ってるんだよなあ…」ってかたの後押しになるヒントが眠っているんじゃないでしょうか。
ツイッターにかじりついて「創作のヒントはないか…トレンドはないか…」とジッと待ち構えるハイエナスタイルもぜんぜんありなんだけど、本著はより迅速にそーゆートレンドを探す手助けになることでしょう。
もちろん、ただおもしろネタを読みたいってだけの人にも。それが本好きの人なら、より「ふふっ」となるんじゃないかな。
電車の待ち時間のあいだにぶらっと本屋へ寄って立ち読みするくらいでもぜんぜんいいと思います。むしろ、それに向いてるくらいのデカ文字で書いてあります。ぱぱっと読めちゃうので、ちょっと時間を持て余したかたに。