Kindle三昧

小説とか漫画とかアニメとか。隠れた良作の楽しみ方を探求するブログです。

漫画「まったく最近の探偵ときたら」が探偵ミステリーとしてぼくのツボすぎるので感想を垂れ流させてください。

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「まったく最近の探偵ときたら」というギャグ漫画があります。
「読んでてジワるギャグ」がウリ…! だと、勝手にぼくは思っています。1巻からすでにおもしろいし空気を作るのがうまいなと感心しきりだったのですが、2巻からその勢いが破竹のごとしでぼくのツボを直撃しました。だからちょっとね、紹介させてほしいんです。


さて、タイトルの文章っぽさと表紙の女子女子した感じをみる限り、あれれ…? よくありがちな「女の子にもしもアレさせてみたら」系の日常モノかしら? 「小泉さんがもしもラーメン好きっ子だったら」とか「女子高生がもしも亜人ちゃんだったら」みたいな?


…と思ってたら、まあたしかに当たらずしも遠からずだったんだけれど。
とんでもない、これは探偵系ミステリーを題材にした傑作ですよ。
とくに2巻はそのへんのシュールな雰囲気がぎゅっと詰まってて最高です。ぼく的には「陸の孤島ミステリーあるある」と「オトナのバーあるある」が好きです。大好きです。

ここではそのツボにハマったところを中心に感想を書きなぐらせてください。

 


◆ 「陸の孤島」編

 

 本作でも指折りのシリアスなエピソード。

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「絶叫館」という曰く付きっぽい名前のお屋敷に招待されたところから物語は始まる…

そこでは怪しげな男の口から、屋敷の古い話を聞かされる…

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「あの3年前」とは…いったいなにが起こったのか…ざわざわ…

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偶然にも事件の日と重なる…いったいなにが起こるのか…ざわざわ…

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次々と巻き起こる難事件ーー

 

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そんなものはない。

 

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勝手に深まる謎ーー

 

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この事件の謎は、あなたの目で確かめよう!(とくにない)

 

 

こんな「よくある洋館に閉じ込められるやつ」をさんざんイジリ倒してて、ミステリーファンだけでなく一般のかたでも馴染みやすいんじゃないでしょうか。実際、ツボにハマったけれどぼくはミステリーには疎いほうだし。

東野圭吾の小説「名探偵の掟」みたいな「名探偵推理ものパロディ劇」を思い出しちゃった。あれも以前にテレビドラマでやってたけれど原作もなかなかはっちゃけてておもしろいですよ。

 

 

◆ 「オトナの隠れ家」編

 

 申し遅れました。本作の主人公「ナディー」こと探偵のおじさん。

そんなおじさんが立ち寄るバーでのエピソード。

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ここでの主要人物は「マスター」と「常連客」です。どちらもダンディズム漂う御仁です。

 

「常連客」はウイスキーのロックが似合うワル。

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だいたいこんな感じのひと。

 

「マスター」はすごくオシャレで寡黙なおひとです。

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だいたいこんな感じのハイカラさん。

 

このお話ではバー独自のルールを知ることができます。これでみんなオトナの仲間入り!

 

例として、バーでの日常風景「グラスを遠くの席の人にシャッて投げるやつ」

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オトナたるもの、常に失敗の言い訳を準備しておこう!

 

 

こーゆーシリアスな雰囲気をイジリ倒すのがたぶん作者さんの真骨頂というか、一番の得意技だと思うの。なんかキメ絵がふだんよりも気合入ってるもの。

 

 

この作者さん、「この可愛らしい絵柄どっかで見たことあるなー」と思ってたら、実は以前にも紹介した「川柳少女」も別雑誌で連載されてるみたいなのです。雑誌を掛け持ちで両方ともギャグ漫画って、なかなかすごくないです…?

言われてみればどちらも雰囲気が似てて、うん、とってもぼく好みです。早く「川柳少女」のほうもつづき読みたい…

 

 

 

 

 

ラノベ「灰と幻想のグリムガル」10巻はセトラさんのターン! …いや、やっぱりメリイさんの正妻力高すぎるな…

 

ラノベ「グリムガル」最新刊! やっと10巻読めたー!


前回でランタの問題とかセトラさんが出てきてこじれたりとか大きく話が動きましたが、今回もやっぱり大波乱が続きます。一向に休まるひまがないっ!
そして…今回では10巻のあらすじにもあるのですが、冒頭からキーマン登場。このおっちゃん、なにやらグリムガルの真相をご存知の様子…? しかも、グリムガル以前のこともおぼろげながら知っているようで。


これはいよいよ、グリムガルも終幕に向かって動き出したってことなのかな。
作者さん、べつの新作も引っさげて忙しそうですもんね。まだ1巻しか出てないからもうちょっと様子見しようと思ってるんだけど、同作者さんの「魔法使いと僕」もぜひぜひ読んでみたいんだよなー。口コミだとまだまだ序章だから大きく話が動かないとかっていうことなので、そのせいで手が出せてないのであった…続刊が出てから一気読みしたいです。

 


◆ 「ハルヒロって、地味にモテるよね」セトラさんが押して押して押しまくる。


前回、ハルヒロたちに助力する代わりにハルヒロを言いなりにさせてえっちぃことを強要しようと目論むセトラさん!
…かどうかはわかんないけれど。いや、あながちまちがってもない、かも…? ことあるごとに子作りばっかり言ってるし。今回ではハルヒロくんの耳をイタダキマスしてるし。しかも挿絵にまで反映されてるって、おいおいおい待ちなさいよセトラさんっ! 愛情表現が嗜虐的すぎますって!

 

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「じつは心配だったんだ。本当はおまえに嫌われているんじゃないかと

いくらなんでも、やばいんじゃないの? これは、突き飛ばしたほうが……?

せっかく甘ったるい魅惑の言葉をかけてくれているのに、ハルヒロくんてば最低である。「突き飛ばしたほうが……」ってその判断それはそれでどーかと思うよ!

 

「すまない 」セトラはすっと身を引いた。顔が真っ赤になっている 。

「……自分でもよくわからないが、嚙みつきたくなった。人は発情すると、何をするかわからんようだな 」

ブコメ! ラブでコメな展開、ばんざい! だが、やってることは耳をかじっている。こんなラブコメがあってたまるもんですか。

 

前回でハルヒロくんを服従させる態度があんまりにあんまりだったもんでメリイさん派のぼくとしては「ゆるさん!ゆるさんぞ泥棒猫!」状態だったのですが、ここまで押しまくるセトラさんには一周回って好感が持てますね。正直、耳をかじったあたりがおもしろすぎてそれで今までのこと全部ゆるせるよね。いや、ゆるすもゆるさないもないけれどさ。

 

 火に油を注ぐ役のクザクくんもいい感じに空気読めてなくておもしろかった。

 

「……ハルヒロって、地味にもてるよね 」

クザクはわけのわからないことをほざいている。ユメはなぜ、うんうんとうなずいているのか。

「もてるだと?」と、セトラがクザクを睨みつけた 。

「どういうことだ? ハルには私以外にも女がいるのか?」

「あ、いやあ、前にハルヒロを好きだって人がいて、別のパ ーティの人なんだけど……」

「何だとぉ……?」

「みもりんなあ 」ユメは腕組みをして片方のほっぺたを膨らませた 。

 

クザクくん空気読んでくださいっ!

いや、ちがうのだ。彼はわりと空気読めるほうなのだ。ただし、空気が読めるからといって空気を読むとは限らないのであった…ぜったい面白がってるでしょコレ。「メリイが他の男と付き合うとしたらそれはハルヒロがいい」とかぬかしてる男の言うことじゃないよっ! どの口がっ、どの口がっ!

 

セトラさんもさすがにおかんむりですが、「まあわたしが恋慕するような男だし、不思議じゃないか…」と妙に腑に落ちてるみたい。このセリフ言ってるときのちょっとドヤ顔入ってるのが目に浮かびます。

 

 

◆ メリイさんのヒロイン力の前には、だが届かないーー

 

セトラがハルヒロを独り占めしようとするからだ。

ハルヒロはみんなのリ ーダ ーだし、言ってみれば 、ーーそう、ハルヒロはみんなのものなのだ。もの、という言い方は変かもしれないけれど、独占されては困る。

そもそも、セトラはパ ーティの一員じゃないわけだし、そうはいっても、セトラとは一緒に死線を越えてきた。戦友のようなものだ。

 

もう大丈夫だから、とセトラに言ってあげたい。あなたの恋人は、こんなことでいなくなったりしないから。

ーーわたしが、させないから。

 

これです。

セトラさんが一転攻勢をかけてきて「おっ、これはさすがのメリイさんでも今巻ばかりはセトラさんに軍配があがるかな?」と思ってたら、これですよ。

「あなたの恋人はこんなことでいなくなったりしない」「わたしがさせないから」の破壊力。前半でむくれたような態度のあとにメリイさんらしいいつもの凜とした態度を見せるの、すごくイイよね…

なんだかんだいってセトラさんのこと認め始めてるあたりも感慨深いです。読んでて「おおっメリイさん…!」て涙腺も頬も緩ませてもらいました。

 

やっぱりメリイさんて恋愛至上主義じゃないというか、どっちかというと女の子同士の友情を優先しそうなところありますもんね。「戦友」って評価、たぶんメリイさん的にはだいぶ高い位置にあるはず。

 

 

……ただ、まあ。その、なんていいますか。

ぼくの口からは多くを語らないんだけれど、今回はね、そう、うん。メリイさん的にはかなり、やばいです。修羅場です。もうこれは10巻のラストを読んでショックを受けてほしいかなって思います。ぼくのこの気持ち、一緒に共有してほしいな。うおおおっメリイさーーーんっ!

 

 

◆ 今回のハルくんピックアップ!

 

ぼくが好きなハルヒロくんのカッコいいお言葉をよりぬきしましょうそうしましょう。

 

「おれが死んだせいで全滅するより、おれが生き残って一人でも死なせないほうがリーダーとして正しい。セトラが言ってるのはそういうことだろ。
頭ではわかるけど、いざそんな状況になったら、おれはたぶん、自分よりみんなの命を優先する 」


「できるだけ正しい判断をしたいって思ってるよ。
ただ、おれはおれとして生きるしかなくて、別人にはなれない。
おれはこういうやつだけど、よければ信じて欲しいって、仲間に言うことはできる。でも、信じてもらうために、おれじゃない、違うもののふりをするのって、なんかずるいだろ。
何よりも大事な命を預けあうんだからさ。
おれは仲間に噓をつきたくない。
つけないし

 

セトラさんにたしなめられた時のハルヒロくんの切り返し。自分なりのリーダー論を述べるハルヒロくん、ほんとに成長したな、って。このグズグスと理屈をこねくりまわすセリフ、ぼくかなり好きです。

 

自意識が低いのは変わらずなんだけれど、自分の有用性は正しく理解してて、でもやっぱり仲間のためにはその一切を犠牲にしてでもみんなを救いたいって死を受け入れちゃう。

究極的には「みんなの傷つくところは見たくない」っていう我が身可愛さあってのことなんだけれど。真っ先に自分を投げ出していける姿に、みんなもそれこそ前巻で言ってたけれど「やれやれ、しょーがないから支えてやりますか」みたいな気持ちになるんだろうなあ。

 

人に文句つけられても自分のやり方を堂々といえるようになったハルヒロくん。まだまだこの先を、このパーティーの行く末を見ていたいなあと思っちゃいます。

 

 

 

 

アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!2」10話(最終回)を観て。どうせ3期くるんでしょ?さびしくないさびしくないさびしくないさび

 

アニメ「このすば2」もあっという間に10話まできましたね!
そういえば前期「このすば」でもそうでしたが、わりと冬の回が長かった印象。

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ということは、3期からは時季的に春かなー。やっとカズマさんとアクアさまが暖を取るのにも苦労する生活から抜け出せるってことですね。めぐみんダクネスが衣替えしたのも見てみたいなー。やっぱり長期アニメで衣装が変わるのは切っても切り離せないものですから。うふふ。

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今回、バニルさんなんかもチラッと出てきてたけれど、さすがに春になったら燕尾服やめるでしょうし。楽しみだなー。たーのーしみーだなーっ!

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…往生際が悪い? 最終回なのを認めろって? やだです!

 

ということで、名残惜しいけれど「このすば2」最終回の感想を始めさせてください。
ネタバレ多く含むのでご注意を。

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アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!2」9話を観て。幸せになれる呪文「エリスの胸はパッド入り」

 

世間ではとっくに「このすば2」の最終回が放送されているかと思いますが…ニコ動派のぼくには時差がありすぎてぜんぜん実感がないっ!
いまだに観ているのは9話です。
アクシズ教の元気な様子が見られるので幸せです。
あとアクアさまが可愛いし! ここ大事!

 

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ちがった。これめぐみんだ。いやー、オフの時の服装可愛いですね。いつもの魔女っ子な服も可愛いけれど。ぼくはこっちの白ベースのほうが好きだなー。なんかいつもの服は肩のへんからおはだけしそうで見てて心配になっちゃう。

 

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こっちこっち。アクアさま渾身のドヤ顔。後光まで差してます。

 

アクシズ教活動記録。アクアさまのドヤるシーン詰め合わせ!

 

9話では懺悔室をはじめ、3話以来となるアクアさまの女神っぽい顔がたくさん見られます。眼福ですね。

 

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「聞きましょう聞きましょうっ!」

アクアさまは懺悔室だと輝く。

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エリス教なんかに屈しない! アクアさまのありがたーい魔法の言葉「エリスの胸はパッド入り」

貧乳と後輩には強気に出る、豊満な胸を持つアクアさま。

やっぱりこの人クズである。

 

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「私は神だ」

臆面もなく言えるのはアクアさまの特権!

 

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 信者のためにありがたい演説を披露するアクアさま。

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例え糾弾されて泣かされそうになっても、がんばる。その行動力は信者を思いやるからこそ? いいえちがいます、この人知力が低いんです。

 

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 私たちはこれからも、アクアさまの名を広めるために誠心誠意尽くしますっ!

 

◆ 今週のゆんゆん。

 

今週も次回予告パートをジャックする!

ゆんゆん…せめてお顔くらいは見せておくれ。

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 前回に引き続き必死すぎて泣ける。

映画「ひるね姫」を観て。これはスクリーンで観るべきエンタメ!

 

 



アニメ映画ひるね姫 〜 知らないワタシの物語」を観に行ってきました。すごく熱血青春系の映画だった!
家族をテーマに据えた映画でここまでアクションシーンに白熱できて、うるっと涙腺に訴えかけてくる。そんな作品はなかなか類を見ないかもしれない。絶賛するくらいにはおもしろかったです!


せっかくなのでぼくの雑感をまとめて感想記事にしてみますね!

 


◆ 本作の基本情報。


神山 健治監督による作品。2017年3月18日より全国同時上映。
監督が手がけた代表作はざっと調べたところ攻殻機動隊S.A.C.」や「精霊の守り人なんかがあるみたい。
製作会社はプロダクションI.G!アニメ界隈では言わずと知れた「アクションアニメ映画」のビッグ3です。あとの2つ? …いや、そのへんを追及されると困るっていうか勢いで言っちゃっただけっていうか……ごにょごにょ。


映画の舞台が実はれぐるすの地元 岡山県にある児島という港町。のどかな田舎町の数少ないランドマークである「瀬戸大橋」は物語の随所で登場してました。
そんな理由もあって、岡山県内ではわりと上映前から告知が大々的に敢行。今年度の映画でも一際知名度が高かったです。
余談ですが、さすがご当地映画というべきかぼくが観に行った映画館はどのスケジュールでも満席御礼の飽和状態でした。そのあたりがすごく思い出深かったなー。


◆ 本編のかんたんな感想。


まず観に行った最大の理由が、ぼくの地元を舞台にしていたということ! すっごく単純な理由なのでした。


「地方を舞台にしたアニメ映画って、方言とか大丈夫?」って心配されるかもしれません。でも、現地人のぼくから見ても語尾が訛ってるだけの標準語に近い台詞になってたので、そのへんは心配ご無用かと。標準語っていうか、独特のイントネーションは関西弁に近いかも。


予告編での前情報で「ひるね姫」は夢の中の物語をテーマにした話として描かれていました。どちらかというと童話チックに、メルヘンな感じに。
ただし! その内容はわりと予告編で受ける印象とはちがうんじゃないかと、観ながら驚いちゃいました!


まず、物語序盤から変形ロボが出てきます。すごい! すでに少年漫画のような展開だぞ!
そうなんです。「ひるね姫」で描かれる夢の中の世界は「巨大ロボが出撃して戦いを繰り広げるロボット帝国」が背景にあるんです。
そして、その世界や大事な人を脅威から守るべく、帝国のプリンセス「エンシェン」が立ち上がる。そんなストーリー。


…と、ここまでは「夢の話」あくまでも。
夢があるなら、当然リアル世界もあるわけで。
そっちではエンシェンではなく「森川ココネ」として田舎町で平々凡々な女子高生をやってます。
ここの「ココネ」と「エンシェン」を行き来して、現実と夢の世界が相互にリンクしていくというのが本作最大のギミックとなっております。
夢で描かれる要素が、それぞれリアルのどこに当てはまるものなのか……そういった関係性を紐解きながら楽しめるようになっております。


本作のべつの魅力。映画大作ならではの「ロボットアクション」!
製作会社がめちゃめちゃ滑らかなアクションシーンを作る最大手だというのもあって、その気合の入れ方は尋常じゃないです。巨大ロボがぬるぬる動く!
そのレベルがどのくらいのものかというと、過去に手がけたアニメ「ハイキュー」「黒子のバスケ」「攻殻機動隊」「進撃の巨人」などなど…そのあたりをご覧いただければすぐにお分かりいただけるんじゃないでしょうか。プロダクションI.G、まじ作画キチガイの領域ですね。毎度毎度素晴らしいです。日本が誇る技術の真髄。

 

ここまでいろいろ「ここがすこい!」と技術的な話ばっかりが目立ちますが、物語の感動要素や青春フルパワーなところもしっかり押さえるところ押さえてます。

終盤のシーンは不覚にも鳥肌立ちっぱなしだったし、目頭熱くなるわ鼻の奥がつーんと痛くなるわでそれはそれは大変でした。さすがに大の大人が公然と泣きだすのは辛いシチュエーションだったから、そこだけはなんとか我慢の子。…なんか最近、めっぽう涙腺が緩くなった気がしたれぐるすでした。

 

唯一の欠点は、夢世界と現実世界があっちこっち縦横無尽に切り替わるので、そこで状況整理が瞬時にできにくい場面が何箇所かある、というところでしょうか。平たくいうとどこの時系列に飛んだのか、ちょっとわかりにくい。

あとでよくよく整理をつけたら「あっ、そーゆーことかー」ってすぐに飲み込める程度にはなってるんだけどね。たぶんお子さんなんかが観ても「複雑すぎて置いてけぼり」って事態には陥らないと思います。

 

娘と父親、そして母の愛が存分に詰まった物語! 駆け出すココネちゃん、健気! ココネパパの奮闘ぶりがかっこいい! 家族愛に震えろ、渋メンお父さんに惚れろ。

ぜひとも劇場にはご家族のかたも足を運んで、この感動を共有していただきたいですね。


◆ れぐるす的「イチオシ」ポイント!


他の要素が注目されがちでたぶんあんまり話題にならないと思うのだけれど…ぼく的には、下村陽子さんが手がける幻想的な音楽がすごくイチオシです!
実はこのかた、もともとはゲーム音楽に携わってきた御方。ぼくの知ってる中だけでもスーパーマリオRPG」だとか「スマブラX」「ゼノブレイド」と、つぎつぎと大作ゲームが名を連ねてくる。実はそんなビッグネームなアーティストさんなんです。
随所で流れてくる挿入歌はもちろんのこと、主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」も素晴らしい出来。

これを劇場のスケールで聞くというだけでも、映画館に足を運ぶ価値があるというものです。たぶんこれはご自宅の30〜50インチの液晶では味わえない迫力だと思うので、この機会に味わうっきゃないよ!


どうやらYouTubeでも公式でフルPVが視聴できるみたいで、チェックしてから観にいってもまったく問題ないと思いますよ! ぜひぜひ。


たぶん「ひるね姫」のサントラ・主題歌アルバムが出たらすぐにぼくはポチると思う。うん、かんたんに予想できてしまうな…


◆ 前日譚にあたる外伝も公開中とのこと。


本作の外伝にあたる作品がどうもHuluで配信されているそうです。

タイトルは「エンシェンと魔法のタブレット

残念ながらぼくは加入者じゃないので観られていないのですが。すっごく気になっちゃうな…!

 いずれレンタルされるだろうから、それまで待ちかなあ。

 

 

 

 

物語の世界に浸ろう 〜 「ぬらりひょんの孫」より妖怪ヤクザぬらりひょんのシビれるセリフを引用してくるだけ。

 

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少年ジャンプで以前連載していた漫画ぬらりひょんの孫
妖怪モノにヤクザの任侠世界を持ち込んだ、今読んでもなかなかの異色作となっております。


ぼくはこの漫画で出てくる総大将「ぬらりひょんが大好きです。

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傲岸不遜で惚れた女はものにするっていういかにもヤクザらしい…イケイケなおっちゃんだけど、バシッと締めるところ締める一本筋の通ったスタンスが本当にカッコいいんです。
あくまでも主人公を引き立てるサブキャラなのでめったなことで出てきませんが…完全に主人公を食っちゃう勢いです。出てくるだけで画面が引き締まるんですよね。
とくに普段クールぶってるのに、激情で動く熱いシーンも多くて。そこがまた魅力的。


そんな熱いシーンで、静かに語る場面が中でもお気に入り。
のちに妻となる「珧姫」を敵地から助け出すところで…ぬらりひょんは強大な敵のボスに返り討ちにあってしまいます。

 

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それでも彼女のために、このままカッコ悪いだけじゃー終わらない。闘志を奮い立たせる漢・ぬらりひょん

 

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「ワシがあんたを幸せにする
……どうじゃ 目の前にいるワシは
あんたを 幸せにできる男に 見えるか?


フハッ…… 見えんだろうな
ワシは あんたにカッコいいとこを見せつけて
惚れさせにゃー いかんのにな……」

 

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「あんたに溺れて
見失うとこじゃった」

 

 幸せにする男に見えるか?って静かに自分を省みるシーンが妙に大人っぽくて色っぽい。そんな愛の独白。これはなかなか高校生主人公なんかには真似できないときめくようなセリフですね。しかも非常に熱いシーンときたもんです。そりゃあぬらりひょんが人気あるのも頷けるってものです。

 

 「ぬらりひょんの孫」ではおよそぬらりひょんが率いていた頃のメンツ「初代組」の仲間たちが飛び抜けてカッコいいです。

一番大変な時期を…死線をくぐり抜けてきたからこその貫禄といいましょうか。大物感たっぷりでみんな素敵。

 

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いちいちみんな大見得切るところが渋くてカッコいい!

 

ホントに名セリフが多いので、先述のだけじゃなくてもっとたっぷりお伝えしてみたいところです。

いつかそんな機会が作れればいいなあ。

 

 

【ネタ発掘】ラノベ新人作家・筒城灯士郎が「筒井康隆作品の続編」を無断で書いて新人賞受賞というニュースが衝撃的過ぎたので、紹介したい。

 

ラノベの非公式二次創作が新人賞を受賞」

 

ここだけ作為的に切り取ってみると、なんだか一波乱起きそうなニュースですね。

さて、こんなインパクト満点の本日のニュース記事。せっかくだから本日のネタにしてみよう。

 

 

上の記事でその内容について詳しく書かれております。わかりやすくかいつまんで要約してみましょう。

 ラノベの新人賞を受賞した「ビアンカ・オーバーステップ」は、なんと筒井康隆の「ビアンカ・オーバースタディ」という作品をもとに無断で執筆された「別作者による続編」ということが判明した。

なお、新人賞の受賞後には筒井先生の許可を得ているので、いちおうは「作者公認」というかたちには落ち着いているみたいです。

 

 う、ううーん。たしかに作者さん公認だと言われれば頷くしかないんだけれど……

「じゃあ何が問題なの?」という話になると、いろいろ問題があるみたいです。

 

◆ 「新人賞」は二次創作OKなの??

 

原型がある中から作られた、いわば「二次創作」なのがこの「ビアンカ・オーバーステップ」という作品の正しい位置付けになるんじゃないでしょうか。

 

ちゃんと調べたわけじゃないからぼくの前提が間違っていたら指摘いただければ大変ありがたいのですが……「新人賞に二次創作はアリなのか?」というところになっちゃいます。みんな物語の下地を無から作っているわけで、二次創作がアリってことになっちゃあ、ちょっとちがうんでない? って話。それって新人賞といえるのかしら。

それなら二次創作専用の賞を設けるとか、べつの枠で競うようにするのが筋じゃないかなあとぼくは思います。

 

 例えば、こういうのがまかり通るようになっちゃったら、「名の売れた作家さん」が久しぶりに続編を新刊として出す時「べつの人の名前で出して新人賞をもらってからにしましょう」っていう話題作りが主流になっちゃうような気がします。

新人賞が「新人の登竜門」としての役割よりも「売り上げの落ちた作家さんの話題作りの場」になってしまうのでは。

べつに面白い話を提供してくれるならぼくら読者はなんでもいいっちゃあいいのだけれど。それだといくらなんでも、何も事情を知らず応募する新人さんが浮かばれないですよね。

なろう小説なんかのネットでの営業が主流となりつつある昨今ですが、それだと出版社さんの力で育てた!って新人作家さんも増えないのではないでしょうか。