Kindle三昧

小説とか漫画とかアニメとか。隠れた良作の楽しみ方を探求するブログです。

アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!2」10話(最終回)を観て。どうせ3期くるんでしょ?さびしくないさびしくないさびしくないさび

 

アニメ「このすば2」もあっという間に10話まできましたね!
そういえば前期「このすば」でもそうでしたが、わりと冬の回が長かった印象。

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ということは、3期からは時季的に春かなー。やっとカズマさんとアクアさまが暖を取るのにも苦労する生活から抜け出せるってことですね。めぐみんダクネスが衣替えしたのも見てみたいなー。やっぱり長期アニメで衣装が変わるのは切っても切り離せないものですから。うふふ。

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今回、バニルさんなんかもチラッと出てきてたけれど、さすがに春になったら燕尾服やめるでしょうし。楽しみだなー。たーのーしみーだなーっ!

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…往生際が悪い? 最終回なのを認めろって? やだです!

 

ということで、名残惜しいけれど「このすば2」最終回の感想を始めさせてください。
ネタバレ多く含むのでご注意を。

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アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!2」9話を観て。幸せになれる呪文「エリスの胸はパッド入り」

 

世間ではとっくに「このすば2」の最終回が放送されているかと思いますが…ニコ動派のぼくには時差がありすぎてぜんぜん実感がないっ!
いまだに観ているのは9話です。
アクシズ教の元気な様子が見られるので幸せです。
あとアクアさまが可愛いし! ここ大事!

 

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ちがった。これめぐみんだ。いやー、オフの時の服装可愛いですね。いつもの魔女っ子な服も可愛いけれど。ぼくはこっちの白ベースのほうが好きだなー。なんかいつもの服は肩のへんからおはだけしそうで見てて心配になっちゃう。

 

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こっちこっち。アクアさま渾身のドヤ顔。後光まで差してます。

 

アクシズ教活動記録。アクアさまのドヤるシーン詰め合わせ!

 

9話では懺悔室をはじめ、3話以来となるアクアさまの女神っぽい顔がたくさん見られます。眼福ですね。

 

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「聞きましょう聞きましょうっ!」

アクアさまは懺悔室だと輝く。

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エリス教なんかに屈しない! アクアさまのありがたーい魔法の言葉「エリスの胸はパッド入り」

貧乳と後輩には強気に出る、豊満な胸を持つアクアさま。

やっぱりこの人クズである。

 

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「私は神だ」

臆面もなく言えるのはアクアさまの特権!

 

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 信者のためにありがたい演説を披露するアクアさま。

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例え糾弾されて泣かされそうになっても、がんばる。その行動力は信者を思いやるからこそ? いいえちがいます、この人知力が低いんです。

 

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 私たちはこれからも、アクアさまの名を広めるために誠心誠意尽くしますっ!

 

◆ 今週のゆんゆん。

 

今週も次回予告パートをジャックする!

ゆんゆん…せめてお顔くらいは見せておくれ。

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 前回に引き続き必死すぎて泣ける。

映画「ひるね姫」を観て。これはスクリーンで観るべきエンタメ!

 

 



アニメ映画ひるね姫 〜 知らないワタシの物語」を観に行ってきました。すごく熱血青春系の映画だった!
家族をテーマに据えた映画でここまでアクションシーンに白熱できて、うるっと涙腺に訴えかけてくる。そんな作品はなかなか類を見ないかもしれない。絶賛するくらいにはおもしろかったです!


せっかくなのでぼくの雑感をまとめて感想記事にしてみますね!

 


◆ 本作の基本情報。


神山 健治監督による作品。2017年3月18日より全国同時上映。
監督が手がけた代表作はざっと調べたところ攻殻機動隊S.A.C.」や「精霊の守り人なんかがあるみたい。
製作会社はプロダクションI.G!アニメ界隈では言わずと知れた「アクションアニメ映画」のビッグ3です。あとの2つ? …いや、そのへんを追及されると困るっていうか勢いで言っちゃっただけっていうか……ごにょごにょ。


映画の舞台が実はれぐるすの地元 岡山県にある児島という港町。のどかな田舎町の数少ないランドマークである「瀬戸大橋」は物語の随所で登場してました。
そんな理由もあって、岡山県内ではわりと上映前から告知が大々的に敢行。今年度の映画でも一際知名度が高かったです。
余談ですが、さすがご当地映画というべきかぼくが観に行った映画館はどのスケジュールでも満席御礼の飽和状態でした。そのあたりがすごく思い出深かったなー。


◆ 本編のかんたんな感想。


まず観に行った最大の理由が、ぼくの地元を舞台にしていたということ! すっごく単純な理由なのでした。


「地方を舞台にしたアニメ映画って、方言とか大丈夫?」って心配されるかもしれません。でも、現地人のぼくから見ても語尾が訛ってるだけの標準語に近い台詞になってたので、そのへんは心配ご無用かと。標準語っていうか、独特のイントネーションは関西弁に近いかも。


予告編での前情報で「ひるね姫」は夢の中の物語をテーマにした話として描かれていました。どちらかというと童話チックに、メルヘンな感じに。
ただし! その内容はわりと予告編で受ける印象とはちがうんじゃないかと、観ながら驚いちゃいました!


まず、物語序盤から変形ロボが出てきます。すごい! すでに少年漫画のような展開だぞ!
そうなんです。「ひるね姫」で描かれる夢の中の世界は「巨大ロボが出撃して戦いを繰り広げるロボット帝国」が背景にあるんです。
そして、その世界や大事な人を脅威から守るべく、帝国のプリンセス「エンシェン」が立ち上がる。そんなストーリー。


…と、ここまでは「夢の話」あくまでも。
夢があるなら、当然リアル世界もあるわけで。
そっちではエンシェンではなく「森川ココネ」として田舎町で平々凡々な女子高生をやってます。
ここの「ココネ」と「エンシェン」を行き来して、現実と夢の世界が相互にリンクしていくというのが本作最大のギミックとなっております。
夢で描かれる要素が、それぞれリアルのどこに当てはまるものなのか……そういった関係性を紐解きながら楽しめるようになっております。


本作のべつの魅力。映画大作ならではの「ロボットアクション」!
製作会社がめちゃめちゃ滑らかなアクションシーンを作る最大手だというのもあって、その気合の入れ方は尋常じゃないです。巨大ロボがぬるぬる動く!
そのレベルがどのくらいのものかというと、過去に手がけたアニメ「ハイキュー」「黒子のバスケ」「攻殻機動隊」「進撃の巨人」などなど…そのあたりをご覧いただければすぐにお分かりいただけるんじゃないでしょうか。プロダクションI.G、まじ作画キチガイの領域ですね。毎度毎度素晴らしいです。日本が誇る技術の真髄。

 

ここまでいろいろ「ここがすこい!」と技術的な話ばっかりが目立ちますが、物語の感動要素や青春フルパワーなところもしっかり押さえるところ押さえてます。

終盤のシーンは不覚にも鳥肌立ちっぱなしだったし、目頭熱くなるわ鼻の奥がつーんと痛くなるわでそれはそれは大変でした。さすがに大の大人が公然と泣きだすのは辛いシチュエーションだったから、そこだけはなんとか我慢の子。…なんか最近、めっぽう涙腺が緩くなった気がしたれぐるすでした。

 

唯一の欠点は、夢世界と現実世界があっちこっち縦横無尽に切り替わるので、そこで状況整理が瞬時にできにくい場面が何箇所かある、というところでしょうか。平たくいうとどこの時系列に飛んだのか、ちょっとわかりにくい。

あとでよくよく整理をつけたら「あっ、そーゆーことかー」ってすぐに飲み込める程度にはなってるんだけどね。たぶんお子さんなんかが観ても「複雑すぎて置いてけぼり」って事態には陥らないと思います。

 

娘と父親、そして母の愛が存分に詰まった物語! 駆け出すココネちゃん、健気! ココネパパの奮闘ぶりがかっこいい! 家族愛に震えろ、渋メンお父さんに惚れろ。

ぜひとも劇場にはご家族のかたも足を運んで、この感動を共有していただきたいですね。


◆ れぐるす的「イチオシ」ポイント!


他の要素が注目されがちでたぶんあんまり話題にならないと思うのだけれど…ぼく的には、下村陽子さんが手がける幻想的な音楽がすごくイチオシです!
実はこのかた、もともとはゲーム音楽に携わってきた御方。ぼくの知ってる中だけでもスーパーマリオRPG」だとか「スマブラX」「ゼノブレイド」と、つぎつぎと大作ゲームが名を連ねてくる。実はそんなビッグネームなアーティストさんなんです。
随所で流れてくる挿入歌はもちろんのこと、主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」も素晴らしい出来。

これを劇場のスケールで聞くというだけでも、映画館に足を運ぶ価値があるというものです。たぶんこれはご自宅の30〜50インチの液晶では味わえない迫力だと思うので、この機会に味わうっきゃないよ!


どうやらYouTubeでも公式でフルPVが視聴できるみたいで、チェックしてから観にいってもまったく問題ないと思いますよ! ぜひぜひ。


たぶん「ひるね姫」のサントラ・主題歌アルバムが出たらすぐにぼくはポチると思う。うん、かんたんに予想できてしまうな…


◆ 前日譚にあたる外伝も公開中とのこと。


本作の外伝にあたる作品がどうもHuluで配信されているそうです。

タイトルは「エンシェンと魔法のタブレット

残念ながらぼくは加入者じゃないので観られていないのですが。すっごく気になっちゃうな…!

 いずれレンタルされるだろうから、それまで待ちかなあ。

 

 

 

 

物語の世界に浸ろう 〜 「ぬらりひょんの孫」より妖怪ヤクザぬらりひょんのシビれるセリフを引用してくるだけ。

 

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少年ジャンプで以前連載していた漫画ぬらりひょんの孫
妖怪モノにヤクザの任侠世界を持ち込んだ、今読んでもなかなかの異色作となっております。


ぼくはこの漫画で出てくる総大将「ぬらりひょんが大好きです。

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傲岸不遜で惚れた女はものにするっていういかにもヤクザらしい…イケイケなおっちゃんだけど、バシッと締めるところ締める一本筋の通ったスタンスが本当にカッコいいんです。
あくまでも主人公を引き立てるサブキャラなのでめったなことで出てきませんが…完全に主人公を食っちゃう勢いです。出てくるだけで画面が引き締まるんですよね。
とくに普段クールぶってるのに、激情で動く熱いシーンも多くて。そこがまた魅力的。


そんな熱いシーンで、静かに語る場面が中でもお気に入り。
のちに妻となる「珧姫」を敵地から助け出すところで…ぬらりひょんは強大な敵のボスに返り討ちにあってしまいます。

 

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それでも彼女のために、このままカッコ悪いだけじゃー終わらない。闘志を奮い立たせる漢・ぬらりひょん

 

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「ワシがあんたを幸せにする
……どうじゃ 目の前にいるワシは
あんたを 幸せにできる男に 見えるか?


フハッ…… 見えんだろうな
ワシは あんたにカッコいいとこを見せつけて
惚れさせにゃー いかんのにな……」

 

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「あんたに溺れて
見失うとこじゃった」

 

 幸せにする男に見えるか?って静かに自分を省みるシーンが妙に大人っぽくて色っぽい。そんな愛の独白。これはなかなか高校生主人公なんかには真似できないときめくようなセリフですね。しかも非常に熱いシーンときたもんです。そりゃあぬらりひょんが人気あるのも頷けるってものです。

 

 「ぬらりひょんの孫」ではおよそぬらりひょんが率いていた頃のメンツ「初代組」の仲間たちが飛び抜けてカッコいいです。

一番大変な時期を…死線をくぐり抜けてきたからこその貫禄といいましょうか。大物感たっぷりでみんな素敵。

 

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いちいちみんな大見得切るところが渋くてカッコいい!

 

ホントに名セリフが多いので、先述のだけじゃなくてもっとたっぷりお伝えしてみたいところです。

いつかそんな機会が作れればいいなあ。

 

 

【ネタ発掘】ラノベ新人作家・筒城灯士郎が「筒井康隆作品の続編」を無断で書いて新人賞受賞というニュースが衝撃的過ぎたので、紹介したい。

 

ラノベの非公式二次創作が新人賞を受賞」

 

ここだけ作為的に切り取ってみると、なんだか一波乱起きそうなニュースですね。

さて、こんなインパクト満点の本日のニュース記事。せっかくだから本日のネタにしてみよう。

 

 

上の記事でその内容について詳しく書かれております。わかりやすくかいつまんで要約してみましょう。

 ラノベの新人賞を受賞した「ビアンカ・オーバーステップ」は、なんと筒井康隆の「ビアンカ・オーバースタディ」という作品をもとに無断で執筆された「別作者による続編」ということが判明した。

なお、新人賞の受賞後には筒井先生の許可を得ているので、いちおうは「作者公認」というかたちには落ち着いているみたいです。

 

 う、ううーん。たしかに作者さん公認だと言われれば頷くしかないんだけれど……

「じゃあ何が問題なの?」という話になると、いろいろ問題があるみたいです。

 

◆ 「新人賞」は二次創作OKなの??

 

原型がある中から作られた、いわば「二次創作」なのがこの「ビアンカ・オーバーステップ」という作品の正しい位置付けになるんじゃないでしょうか。

 

ちゃんと調べたわけじゃないからぼくの前提が間違っていたら指摘いただければ大変ありがたいのですが……「新人賞に二次創作はアリなのか?」というところになっちゃいます。みんな物語の下地を無から作っているわけで、二次創作がアリってことになっちゃあ、ちょっとちがうんでない? って話。それって新人賞といえるのかしら。

それなら二次創作専用の賞を設けるとか、べつの枠で競うようにするのが筋じゃないかなあとぼくは思います。

 

 例えば、こういうのがまかり通るようになっちゃったら、「名の売れた作家さん」が久しぶりに続編を新刊として出す時「べつの人の名前で出して新人賞をもらってからにしましょう」っていう話題作りが主流になっちゃうような気がします。

新人賞が「新人の登竜門」としての役割よりも「売り上げの落ちた作家さんの話題作りの場」になってしまうのでは。

べつに面白い話を提供してくれるならぼくら読者はなんでもいいっちゃあいいのだけれど。それだといくらなんでも、何も事情を知らず応募する新人さんが浮かばれないですよね。

なろう小説なんかのネットでの営業が主流となりつつある昨今ですが、それだと出版社さんの力で育てた!って新人作家さんも増えないのではないでしょうか。

 

今週号のジャンプ新連載「ロボ×レーザービーム」が第1話から最高におもしろそう!

 

今週号の週刊少年ジャンプ(2017年16号)は本日(2017/03/18)が発売日だったみたいです。ふらっとコンビニに立ち寄ったら見かけたのでちょっと得した気分。「ジャンプはたまに土曜日に発売するから気をつけろ!」

 

そんなジャンプも新連載の時期。怒涛の「6作品新連載陣!」という謳い文句でやってましたが、ついに本命きましたね!

 

前作「黒子のバスケ」作者・藤巻忠俊先生が還ってきたっ!

その名も「ROBOT × LASERBEAM(ロボレーザービーム)」

やっぱりタイトルダサいです。黒子のバスケ」はシンプルで語感も違和感なかったから特段そう感じなかったけれど、今作はやべえ…やべえよ…

 

◆ 巻頭カラー 第1話「ゴルフはやらない」

 

 

なんと今回はゴルフ漫画です。前作がスポーツものだったから別のジャンルで来るかと思ったけれど継承。噂によれば前々から描きたかった題材だそうな。

たしかにその執念あってか、第1話からさすがの貫禄でした。第1話からめちゃめちゃおもしろい!

 

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主人公とその親友、さらには気になる天才ライバル登場、さらに今後戦いそうな他校との確執と……情報密度高いうえに説明的じゃない! 長期連載経験者だけあってジャンプの土俵での魅せ方本当に上手いですな…!

 

主人公は「ロボ」の愛称で呼ばれていて、なにをするでも機械のように正確無比で寸分の狂いもないという設定の子です。そんな子がゴルフでもミスショットしなかったら新風巻き起こるよね? という物語。

スポーツ漫画だけあって良くも悪くも王道な書き出しです。ただ、この王道っていうのをマンネリと思わせずに描くのはさすがの筆力といったところ。

 

スポーツ漫画の王道である親友ポジションの子もしっかり描いているのが丁寧で素晴らしいですね。

「ロボといわれてクラスメートからからかわれ、いじめられてる」というロボくんに対して、唯一友好的に接してくれる親友・トモヤくん。

無気力無感動人間味ナシのロボくんでも、そんなトモヤくんにはそれなりに愛着を持っているというのはポイント高いですね。テンプレっちゃあテンプレだけど、この丁寧なテンプレ描写って案外できてない作品多いですもんね。雑な模倣こそが「悪いテンプレ」だとぼくは思うのです。そのへん、藤巻先生は「良いテンプレ」してて言うことナシじゃないでしょうか。

 

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(あれ……もしかして ロボ……怒ってる……?)

 

「トモヤがイヤな顔してるのは、ぼくもイヤなんだ」

 

このカッコいい台詞も引き締まるってもんです。「黒バス」で感じたゾクゾクくる感じの熱い台詞回し、今作も健在みたいで、ぼく大変満足。

 

 

そうそう、「黒バス」といえば「スポーツ漫画の皮を被った異能力バトル漫画」でしたが、まさか今回も…!? はい、そうです! やっぱり今回も超人っぽいです! そりゃあ主人公がロボットですもんね、知ってた!

 クラブも握ったことないような子がガシガシ超精密コントロール球を繰り出します。でもここらへんは、あえて匂わせる台詞が入ってるからもしかしたら父親がプロゴルファーだったり、そーゆー「スポーツ漫画の親父あるある」が挟まれるやもしれませんね。

 

気になるライバル青峰くん 鷹山くんも初登場にしてオーラが漂ってて素敵です。

 

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めちゃめちゃ強そうな雰囲気。なのに登場から数ページで「おれよりめちゃめちゃゴルフ上手いやつがいやがる…っ!」と早々に陥落する、この残念イケメン具合よ。早々にテレビ画面ごしに解説役を請け負ってそうな……そんな未来が透けて見えるかのようだ……

まったく、藤巻先生の描くイケメンは残念な子ばっかりで素敵ですね。

 

 

 あと、単純に「黒バス」中期のころの絵柄が大好きなので、この高クオリティの絵が連載初期から読めちゃうっていうのがぼく的にめちゃめちゃイチオシです。

 

最近、「黒バス」もアニメ映画化してた影響もあってコンビニで原作本がまとめ売りされてたのですが、やっぱり初期の絵柄には無骨さが足りなくて「あれ、こんな草食系男子みたいな絵柄だったっけ…?」と物足りなさを感じてしまったもので。

 

 

漫画「恋の神様」ニセコイ作者さんの短編集が本棚から出てきたので懐かしい気持ちで紹介する。

 

 

 


久しぶりに本の整理をしていたら、「恋の神様」という漫画が出てきた。すごく好きな作品ばかりだったので、なんだかお宝を発掘したような嬉しい気持ちになってしまった。

 

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たまたま古本屋で見かけたので、つい紙の本で衝動買いしてしまったのだが、今になって思うと「Kindleで買っておけばよかったなあ」とちょっぴり後悔している。
なんせ本棚の奥で眠ってらっしゃったせいか元々なのか…ページがずいぶんと黄ばんでしまっていて、あらあらな状態になってしまっている。ぱらぱらめくっているとページの角もたまに折れているしシワはできている。これはたぶんぼくの雑な管理が原因なのだろうけれど。この点をまとめて一挙にサクッとまるっと解決できてしまうKindle版、まじ人類の叡智である。隙あらば電子書籍のメリットを布教していくスタイル、これからも続けていきたい。

 


お話を戻しましょう。
この漫画は古味直志先生による読み切りマンガ集だ。「ダブルアーツ」「ニセコイ」なんかが代表作にあたり、この短編集ではすでにそういった作品の根元…かたや「ワクワクドキドキの冒険譚」だったり「キュンキュンする少年少女のラブコメ」だったり、両作品に共通する「生き生きとした躍動感たっぷりのキャラクター」なんかが感じ取れる。
というより、ひいき目なしにしても古味直志先生の場合は短編集のほうが格段におもしろい。展開のスムーズさ。伏線から回収に至るまでのコンパクトさ。キャラの言動の一貫性。どれをとってもクオリティーがダンチである。


たぶん、古味直志先生はもともとこういう作風が好きなんだと思う。短編映画だとか童話だとか、そういった「小さな世界の中で殻を破っていく物語」みたいなスケールの話がすごく上手い。

まあここで具体的な話も挙げずにクドクドと語るのも野暮ってもの。次からひとつずつピックアップして語らせてもらおうと思う。

 


◆ 「island -アイランド-」 最初の読み切りから漂う"鬼才"の風格

 

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例えば最初に日の目を浴びた「island -アイランド-」


ぼくがこれを初めて読んだのは少年ジャンプでの掲載時だ。
初めて読んだ感想は今も忘れようがない。「とんでもない才能が現れたぞ」それほどぼくにとって衝撃だった。


その当時はいわゆる「勧善懲悪のテンプレ」をよく見かけた。ジャンプで読み切りが掲載されれば「また主人公が悪党をワンパンで倒して終わりかあ。テンプレだなあ」というのが、本当に本当に多かった。ぼくは掲載された作品は必ず目を通すという、我ながらよくわからない執念があったのだけれど、たぶん大半の人がこのころの読み切り漫画はつまらなすぎて読んでなかったんじゃないだろうか。そんな勝手なレッテルを貼ってしまうくらいには、当時のジャンプには「新鮮味」が欠けていた。
だからこそ「island」が掲載された時の感動は一潮だった。


「island」を知らない方のために簡単なあらすじ。
2人の少女「アイラ」と「マルー」のダブル主人公が、壁の中の村から壁の外へ出ていく夢を叶えようとするファンタジー冒険譚。

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この話のすごいところは「話がきれいにまとまっている」点である。舞台はごくごく小さい村落で、およそ少年漫画としては小スケールじゃないかと思う。しかし、それを本作では「2人の主人公」の感情をあっちこっちへ揺り動かすことに力を入れている。むしろそこだけに特化しているといってもいい。葛藤から生まれる感情の機微。それこそが本作の…あるいは古味直志先生の短編集の、とんでもない魅力なのである。


この話で描かれる主人公は夢見がちな「少女」でしかない。やがて現実を知って受け入れて、妥協をするかそれともなお夢を見続けるか。「大人になってゆく過程」を丁寧に描いている。
そこには一切、「悪党」も「正義という名の暴力を振るう主人公」も存在しない。ただの思春期を乗り越えようとする少女たちがいるだけである。終始地味なだけで終わりそうな題材なのに、めちゃめちゃワクワクするし目尻に込み上げてくるものがあるんです。不思議なことに。

 

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これだけ良いところばっかり羅列しちゃうと「うげぇ」ってぼくだったら辟易しちゃうことだろう。なのでいちおうバランスを取るために欠点も挙げておこうと思う。本作は「デッサンははっきりいって上手くない」
一般的な「絵が綺麗」ってやつ。ああいう物差しで測ると、はっきりいって下手だ。ただし、キャラの感情を表情として描き切るのは本当に上手い。
たぶん、このキャラの表情っていうのがさらに進化すると近年の作品「ニセコイ」に繋がってきたのだと思うと妙に納得しちゃう。ああ、ここからすでに片鱗が見えていたのだなあと。
ここらへんの絵の方向性は「island」で何を強みにするべきか?っていうのが先生自身、はっきり自覚していたからこそ定まったものなんだろうなあと思う。


思春期ならではのコロコロ変わる表情の変化。今から読み直してもぜんぜん色褪せない。当時抱いたぼくの思いは一時の気の迷いだとかブームに便乗してとかじゃないはず。だってまちがいなく「island」は今読んでもおもしろいんだから。

 


◆ 「恋の神様」ラブコメの教科書のような完成度。

 

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二度目の読み切りであり短編集の表題作となる「恋の神様」
こちらも掲載時、ぼくはリアルタイムで読んでいた。


酷評になってしまうけれど、今となって読んだら本作はあんまりパッとしない。いや、ちがうんだ。誤解のないように言わせてください。当時はぼくもまちがいなくおもしろいと思って読んでいた。ただ、今読んでみるとそうでもないよね、というだけの話なんだ…


たぶんそれは、本作の根幹が「奇をてらった設定」ありきなところだからだと思う。
あらすじとしては「少年は女の子に恋をした。しかし、そこには最強の恋敵が。それは……神様! 神の寵愛を受ける女の子に好かれるため、無謀な戦いに挑む!」というもの。
キャッチコピーのおもしろさは当時、折り紙つきだった。
「当時斬新だった設定」に引っ張られて昔はおもしろいおもしろいと手放しで評価していたんだけれど、今となっては斬新な設定なんて履いて腐るほど巷には溢れかえっているわけで。今のぼくが読んでも「あー、それっぽいのラノベで読んだことある」ってなっちゃうのである。

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とまあ、大人になったぼくが評価するのはこんな酷な言葉になってしまったけれど、実は忘れてはいけないポイントが。この作品、斬新さに隠れて目立ちにくいのだけれど、立派に「ラブコメとして洗練されている」のである。
はっきりいってこの完成度は、現在のジャンプで掲載される読み切りと比べてもまったく見劣りしない。…というより圧勝である。
話に一貫性があって起承転結もがっちりかっちりしていて、いやはや、まったく…弱点らしい弱点が見当たらない。ちょっと憎らしいくらいに完成されている。
とくに神様の猛攻をかいくぐりながらヒロインの子を抱きしめにいくまでの一連のシーンはおもしろいやら感動するやらでシュールな絵面として近年稀に見るクオリティーだったりする。

 

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だから、ぼくの言う評価の正しくは「プロとしてはややテンプレチックで面白みがない」といったところ。すでに語る視点が「新人の読み切り」レベルではないということははっきり明言しておこう。
あと、ぼくが古味直志先生の個性だと思っている「感情の機微」が弱い点がマイナス評価のポイントだろうか。主人公の「一目惚れしやすいタチ」に感情移入しづらかったりとか、ね。

 

 

◆ 「ウィリアムス」原点回帰にして傑作。

 

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3作目の読み切り「ウィリアムス」
最初に断言させていただくと、ぼくの中で一番愛着のある古味作品といえばこれに当たる。

 

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内容としては「主人公が本の世界の大冒険に憧れて旅に出る。少年の歩ける範囲の中で起こった、小さな小さな大冒険」といったもの。作品に込められたメッセージは処女作「island」に近い。
余談ながら、この短編集の中で古味直志先生は前作「恋の神様」を創作の際、大変苦労したことを打ち上げている。以下にその文章を引用させていただこう。

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ここの作者メッセージからぼくが勝手に意図するところを読み解くと……
古味直志先生の中で描きたいもののイメージがおそらく「island = 童話的な冒険譚」だったはずだ。それが第一読者(担当さん)からは良い評価をもらえなかったこともあり、紆余曲折を経てなんとかかんとか「恋の神様」という新境地開拓へと舵を切ったわけだ。古味直志先生にとってはラブコメジャンルを描くための得難い経験値になったことだろう。
しかし、その矢先に本作が出来上がった。「やっぱり冒険譚を描きたいっ!」という意志が本作には込められているように感じる。いわば原点回帰といっていい。
そして、見事に大成功を収める。


「ウィリアムス」の主人公ウィリアムぼっちゃまは、とにかく向こう見ずで夢見がちな性格。侍従のコニーさんを引きずり回しては心配やら迷惑やらかけるようなわんぱく坊主だ。こういう性格のキャラは最近の風潮だとあんまり受け入れられないのか、めっきり見かけなくなってしまったのは悲しいことである。

 

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ただ、ウィリアムぼっちゃまはまったく何も考えずに突っ走るだけの子どもではなく「子どもなりに将来のことを悲観している」という憂いを秘めているのが奥深いところ。これが古味直志節ともいえるキャラの魅力じゃないだろうか。小さな冒険譚の中で語られる「夢と現実の狭間に揺れる主人公」……「island」との共通点ともなっている。
なんとなく、「island」に比べて周囲の大人が主人公の夢見がちなところに否定的なのは、本作を製作していたころの古味先生自身の葛藤がそのまま反映されていそう……なんて思っちゃうのは、さすがに憶測が過ぎるだろうか。

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なんにせよ、「壁の外が見たいっ!」というよりも断然共感を呼びやすい「冒険に出たいっ! 男の子だもん!」という目的に変わったことで、「ウィリアムス」のほうが馴染みやすい作品になったのはまちがいない。
「人の丈ほどもある大怪鳥」だとか「新大陸」だとか……ぼくみたいなピーターパン症候群もどきの読者にはズキュンバキュンと胸を射る素敵ワードであふれている。
終盤に語られるポエムがあるのだが、いまだに聞いても鳥肌が立つくらいカッコいい。

 

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「どうやら彼はとっくの昔に……
立派な 一人前の冒険者になっちゃってるみたいだから


彼のような人間はね……
止まれないんだよ……
風に呼ばれるんだ……


そう
風に呼ばれ 大地に呼ばれ……
少年は歩くのを やめられない
見知らぬ土地へ行き
谷や 山河や 平原を越えても なお


海の向こうの さらに向こう
大地と空の境まで
そこに辿り着くまでは 少年は決して 負けはしない


だからね……
心配いらないんだよ……」

 

上のポエム、周囲からどれだけ非難されようと性質を認められなくても我が道をゆく「孤高の風来坊」みたいでめちゃめちゃカッコいい。誰しも男の子はこんな少年期に憧れるものです。

 

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見開きの大ゴマもすごく魅力的で「親愛なるカムクワス=ハイローへ……」の出だしから綴られる語りは本当に引き込まれた。「ざわざわ……」ってなって「ぶわっ」て感じです。なんかもう、ぼくの感情メーターが振り切れ過ぎて日本語がダメになっちゃう。

この感動を伝えるのに、もはや言葉なんて邪魔くさく思えてしまう。どれだけ言葉を尽くしてもこの感動を表すには絶対的に足りない。こういう時、言葉の力って無力だなあと思う。だって読むしかないじゃないか、この感動をあなたの中で再現するには。

 

 

◆ 「ペルソナント」

 

執筆中……